短歌往来 8月号

短歌誌
09 /10 2017
昨日は運動会でした。昼の太陽が夏みたいにじりじり暑かった。
でも朝夕は虫の音も聞こえて涼しいです。

とっくに9月なのですが、
短歌往来8月号の特集<30代歌人の現在>です。ひとり12首づつ。

塔からは花山周子さん、澤村斉美さん、西之原一貴さんが登場です!
三人とも子どもの歌が並んでます。子どもを歌うといっても自分を歌うということになるので、歌は不思議。



ダムのごとくに涙をためて歩みゆく一歩一歩の震動が来る /花山周子
最初はお子さんの行動かと思ったけど、作者自身のことかと今は思う。ままならないこともある子どもとの日日にふと込み上げてくるものがあったんじゃないか。次の一歩でたまってた涙がぽろっと零れるのが見える。そこまでは詠まれていないところがいいと思う。

わが耳に子のなぞなぞの続くなりなーんだという語尾だけ聞こゆ /花山周子
プラパンに子が描きたるドラえもんトースターの中で燃え上がりたり 





息子も夫もあつちへ行けと思ふ夜のあつちは雨に沈んだ町で / 澤村斉美
あつちへ行けの言いかたがかわいいけれど、でもその時の本心。でも、また、雨に沈んだ町になんかに放りたくないのも本心。あっちだけに雨が降っているはずもなく雨に囲まれたところに三人留まるしかない。

咳を病むきみを憎んですまなかつた長いカーブに電車は入る /澤村斉美
さびしかつたさびしかつたね夫が子を抱きとめる声草のごとしも





もう泣くなわかつたからと味噌汁のかぼちやのかたち汁にほどける /西之原一貴
言うことを聞かなかったのかな。わかったわかった、もう泣かんでくれ、という気持ち。作者の根負けというか諦めというか、それがかぼちゃのかたちがほどける、というものになっていく。

この月日こころを何に注いだかざざつざざつと葉陰がゆれて /西之原一貴
ぶら下げしゲラの帰りを待つてゐた子がぱたぱたと駆けよつてくる




そのほかの歌では

産前に買ひしファンデは残雪のつめたさにあり 頬へ叩(はた)けり/ 山木礼子
夏はいい あかるいうちに街を出て夜に遭はずに帰つてこれる

独身の頃の自由さからはたしかに遠くなってしまった世界。もどかしさのようなものを感じる。


白鶴は雪の味せり 立ち飲みに夜がゆっくり降りてくるころ  /大平千賀
眠るまえに眠りのためにアイロンの重さが胸を平らかにする 
酢漿草(かたばみ)の実に手を伸ばすこの人が夫だわたしの影を重ねる

きれいで落ち着いた感じの歌がならぶ。肯定的、というのが読んだときの印象。

30代の作者の方々については名前も初めて知ったかたもいました。この人のほかの歌も読んでみたいなと思えるのはうれしい。
みんな若い(事実)。

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ukaji akiko

塔短歌会。ふだんは赤煉瓦歌会に参加しています。スガシカオ好き。気軽に好きなことを書いてゆこうと思います。

プロフィール欄がなぜか二つになっていて直りません。

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