塔8月号 追記☆彡                ~身近なるかな諸先輩~

09 /02 2017
8月号は先人の方々の名前が入った歌がいくつかありました。
詠んでいるかたはそれぞれに思い入れがあり、身近に感じてあるんだと思います。

ではご紹介します☆彡

自転車をおきて大川ながめゐる中学生を視てゐし茂吉 /小林幸子
作者は隅田川(大川)に来ていて、そして茂吉がそこで詠んだ次の歌を思い出しています。

かたはらに自転車置ける少年が大川のみづに対(むか)ひつつ居(を)る   /斎藤茂吉 


大川に向いている少年、それを眺めている茂吉、そしてその茂吉を思い浮かべている作者。時間が同じ場所で繋がっているようでとてもいいなと思いました。




春雨の京都烏丸仏光寺老いし蕪村の住みいしあたり /山下洋
春雨という言葉から年老いた蕪村が持っていたのだろうと思われる静かさや柔らかさへとイメージが繋がっていきます。


悟りとは生きる覚悟と言ふ子規の語録読み解く辞書を引きつつ /上大迫實
語録が作られるほどに子規は格言を残しているようです。悟りとは生きる覚悟、という言葉は『病牀六尺』のなかの文章のひとつ。作者はそれを辞書を引きながら読み解いています。それは今の作者にとって必要なことだからです。


五、六冊茂吉全集を持ち出せば書架空間に夏の日溜まり /栗山繁
一冊どれくらいの厚さでしょうか。五、六冊ぶんの空間。棚には夏の陽が溜まり、夏の時間をゆっくりと茂吉を読む作者。


はるばると子規は来しかな父の村の句碑にあうなり青葉の光 /大内奈々
父の村、こんなところに子規は来たのかという驚き。青葉の光、という結句に作者の心の新鮮な輝きが見える。


ネギ坊主切り取りながら子規の歌浮かび来たりて振り向きたりぬ /岡田昭夫
ネギ坊主の歌があるのかと少し調べてみたけれどわかりませんでした。もしかしたらあるのかもしれません。なかったとして考えてみると、ネギ坊主の形態から一瞬子規が思い浮かび、そして歌が浮かんだのかも。振り向くくらいに子規が迫って来ていてすごい。


土屋文明に初めて採られし歌いまも思い出されるあの感激は /二貝芳
新聞歌壇に土屋文明から初めて採られた時のこと。自分では良し悪しも分からなくて出した歌に丸印がつくということ。本当に嬉しい。結句が少し素直すぎるかと思うけど今もその感激を思い出せるなんていいなと思います。


以上、8月号追記でした☆彡

(助っ人資料 「現代短歌5月号 子規考」「斎藤茂吉の百首」)

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ukaji akiko

塔短歌会。ふだんは赤煉瓦歌会に参加しています。スガシカオ好き。気軽に好きなことを書いてゆこうと思います。

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