塔6月号 作品2、若葉集☆彡

07 /19 2018
外を歩くと空気が暑すぎて息をしにくい。登山部のインターハイも春や秋の開催にしないときついんじゃないだろうか。みなさまも体調管理に気をつけてお過ごしください。


作品2☆彡

きいたことないメロディーを思い出しながら働くひとりで跳ねて /吉岡昌俊
自分が持ってるはずの深いとこにあるメロディ、そういう感じかな・・。そういうのを思いながら働くということをバランスとってやっていく、という気持ちじゃないかな。

雨宿りしている男の午後9時の水中眼鏡みたいな眼鏡 /同
「水中眼鏡」という言葉が、雨宿りしてるのに全身濡れてるように思わせる。午後9時の、というのも面白いし男に妙に存在感があります。

チョコレートの銀紙ぴんと鶴に折りごみ箱めがけ飛ばしてみたり /今井早苗
銀色の、ぴんと折られた鶴。きれいな鶴にごみ箱を目指させる、というところが面白い。飛行機よりも飛ばないだろうけど上手く飛んだのでしょうか。

うそばかりと小さき兄いふ 想ふままおはなしをする女(め)の子は二歳 
/田中ミハル

小さい兄の、うそばかり、と言いながらおはなしを作る妹への羨ましさなんてのもありそうです。小さい兄は、嘘はいけない、という気まじめさを持っているようでかわいらしい。何を思うかは自由なんだと気がつけば実は兄も創作上手かもしれない。

職員より勤続ながき清掃員ときに小言めくメモ残してゆきぬ /西内絹枝
長年職場にいる清掃員。細かいところに気がついて、職場に対しても思い入れがあるのだろう。お母さん的な気持ちの小言かなと思う。職員からしたらどう見えるんだろうか。いろいろかもしれないけど歌ではいい感じの存在に思った。


若葉集☆彡

ハンガーラックの向こうが見えない古びた服を手でどかしている /鈴木健示
そう!感じていたけど歌にしたことは無かった。この歌は、服をどかしただけでとくに何かがあるわけじゃないところが面白い。でも、向こうが見えない、という言葉に含みがあります。

アイライン濃くひきゐたり交差点の人波分けてゆく車椅子 /来栖優子
アイラインを濃く、という場合は本当に濃く、だろう。普通よりしっかり太く濃くということ。意思が表れるとこだと思う。

花のうたどこかに偽りあるようでサクラの歌を全部捨てたり /伊勢谷伍朗
わるくない歌もあったと思う。でも、なにか偽りを感じて全部捨てた。花、という美しいものでごまかしてしまったな、とかそこまで美しいと思ってないのに美しいと詠んだとか、なにを偽りと思ったのかは分からない。引っかかりを感じたことに反応した作者の気持ち。

晴れの日はなんとなく過ぎ雨の日にジーンズを洗ふ強水流で /株本佳代子
なんでしょうかね・・・。いいなと思いました。作者にとって晴れの日は「なんとなく過ぎ」るもの。雨で出かけないからジーンズを洗っているんでしょうけど、雨の日のほうが作者は自分というものを感じているのだろう。

目覚めたら誰かいてくれハンガーをいま落ちようとするカーディガン /拝田啓佑
誰かそばにいてほしいと願う作者。いま、落ちていくカーディガンは、目覚めても誰もいないことを知らしめているように感じます。誰かいてくれ、という叫びのかたちが響いてきます。

下見がけっこう大変だ

ブログ
07 /17 2018

お土産のなが餅。三重県のお土産はあまり食べたことありません。

三連休、山岳部の娘は部活で三重県の鈴鹿山系にインターハイの下見登山に行っていました。暑さでどうかなってないか一度だけ大丈夫かとラインしたら、疲れました。と一言だけ返信あり。無事昨日帰宅して「今回ほんときつい」と言ってました。登ったのは御在所岳や釈迦ヶ岳などで、標高を聞いたら久住山より低い。「だけどきつい。」らしいです。

インターハイは8月3、4、5、6、7日。三重県に登山に行かれるかたで、静かに登りたいかたはこの日以外に、賑やかが好きなかたはこの日にどうぞ!

大会競技は4人で1チーム。男女それぞれ県大会で優勝したチームが出場します。福岡は女子の山岳部がある高校が数校しかないので、男子よりもインターハイに出場しやすいそうです。娘の高校は県大会で男子が惜しくも僅差で2位となり、娘はしょんぼりしてました。

下見では大阪からは北野高校が来てた、と言ってました。静岡は藤枝東高校。長崎からも来てたらしいですが何高校って言ってたかな・・・。


山岳部の勝ち負けってどうやって決まるのか?
わたしはもう知っています(ふっ。)
興味ある方は想像してみてくださいね!答えはまた後で書きます☆彡

第八回 塔短歌会賞、塔新人賞☆彡

07 /13 2018



塔新人賞
「『Lao-tse』を読む」 近藤真啓さん

塔短歌会賞
「灰色の花」 白水ま衣さん

おめでとうございます!


二つの作品どちらとも、作者がいるそこの世界が立ちあがっていてとても魅力的です。


今回応募作品数が昨年よりも増えていていいことだと思いました。
わたし個人は予選も通過しませんでしたが、30首作る機会を持てたことはとても良かったです。丸印付かなかった、私を含めた方々、また来年作りましょうー!


あらためまして、近藤真啓さん、白水ま衣さん、

受賞おめでとうございます!!

塔6月号 作品2その1☆彡

07 /11 2018
今日は小学校の読み聞かせでした。六年生は派手な反応がないのでおもしろかったのかどうか気になるところです。お昼は小学校の昼休みの校庭見守り当番でした。年に一度か二度まわってきます。ドッヂボールで明らかに他の女子と違うレベルの女子がいて男子に交じってビュンビュン投げていました。

40分暑い校庭に立つのはややきびしい・・・。



順々に人形並べる父に聞くマトリョウシカを買いし日の母 /隈元三枝子
一体の人形と違って沢山あるマトリョウシカ。順々に並べる時間というものを思った。思い出しながら並べていく。

一日に二つの美術展はしごする音なき老いしんと受け入れる /佐藤朋子
時間はたっぷりとあるけど老いには音がない。「音なき老い」「しんと受け入れる」がいい。

二列目で聴いたフレーズお守りに春が来るまえ会社を辞める /中井スピカ
同じ二列目に居てもそのフレーズがお守りになるかどうかは人それぞれ。作者にとっては力強いフレーズでこれからもお守りなのだろう。

左の目だけから涙が落ちており君の左に見ている映画 /ぱいんぐりん
作者の左の目から落ちる涙に君は気づかない。涙を流す自分を君に知られないということが、さみしくもありほっとするようでもあり、微妙な気持ちが伝わる。

その花はマーガレットというらしい窓辺にぽつり鉢植えひとつ /卓紀
ぽつりと咲いている花、この花の名前は何だろう、として知る。さみしい花として作者の心に留まる。マーガレットをさみしく捉えてることも印象に残ります。

見えている中では菜の花しか知らずそれでもしばらく立ちつくしてる 
/中山靖子

広々と花が咲き誇っている場所があったのか。菜の花しかわからないけど立ちつくす作者。「立ちつくす」が言葉ではすぐに言うことができない作者の気持ちを語っている。

袋からとびだすセルリゆうぐれの坂ゆくわたしを立たせるみどり /中田明子
セルリの透明感のある緑色とまっすぐさ。そのセルリに励まされるようにゆく。ゆうぐれとセルリの色合いがきれいです。

暗がりに墓標のように白く照る仙台空港八度目の春 /佐藤涼子
東北に住んでいる人でなければ生まれにくい歌だと思う。震災と震災以降、目にしてきたこと感じてきたことなどが「墓標」に繋がったのではないかと思う。

大学四つことごとく落ち五つめに眩しいやうな合格にあふ /青馬ゆず
「眩しいような合格」、そのまんまだけど四つ不合格の後だからほんとに眩しかったのだろう。全部合格もいいけどひとつだけの合格はとびきり嬉しいのではと思います。

名を忘れ葡萄のようなあの花と妻に尋ねしムスカリの咲く /滝澤幸一
名を忘れたばっかりに妻との会話が思い出になる。「咲く」、が今あるものとしてとてもいいと思いました。

塔6月号 月集、作品1☆彡

07 /06 2018


雨がひどくて今日はこの辺りのほとんどの小中高校が休校でした。



(月集)
さようならはここにとどまるために言う ハクモクレンの立ち尽くす道 /江戸雪
「ここにとどまるため」に言う。ああ、たしかにそうだ、と思った。それ以上何も話さないハクモクレンが美しいです。

小雨降る弥生の朝春なのだ春なのだと思ふ空みあげつつ /大田千枝
少し暖かいような春の小雨がいいなと思う。「春なのだ春なのだ」がとても柔らかい。

わたくしの右胸にメスを入れしひと優しく老いて優しく笑まふ /梶原さい子
手術の後に過ぎていく時間。ふたりの間にだけ通じる気持ち、わかる気持ちというものがあるだろう。作者の気持ちが穏やか。

わかき日の冒険譚をくりかえす桃太郎こそ鬱陶しけれ /松村正直
昔話の桃太郎は自分で冒険譚を語ったりしないから、この桃太郎は現実の世界のことでしょう。すごい言われよう。「桃太郎」を登場させて歌が面白くなっている。


(作品1)
夜も更けてゆく道すがらひらがなの看板の字をふとおそれけり /遠田有里子
ひらがなの持つ曲線が生々しかったり、こっちになだれ込むようだったり。そのままの音で迫ってくる、ということもあるのかも。たしかに夜は怖い気がする。おもしろい歌。

言わざりし言葉の多き春の日は爪伸び易くやや深く切る /橋本恵美
爪の伸びたぶん、言いたいことも少し積まれているような。だけど、伝えることをせずにやや深く切ってしまう。「やや」の微妙な気持ち。

胸のなかの蛾と蛾が強くこすれあうしんと黙って抱きあうとき /大森静佳
「蛾と蛾が強くこすれあう」。胸のなかのその音を聴いている作者。蛾の持つ音の響き、きれいというのとは違い、そこからも昏さをともなう気持や動かしがたい想いがあるように感じる。

「あら、素敵」亡夫の使いいしボールペンすらすら書ける小畑実さま 
/小畑百合子

亡き夫への愛情がこういうふうに自然なところであらわれていて、さらっとした詠み方だけど胸にじんときました。

どなたかの鞄かかひなにあたりたりわたしはいまだうつし世にゐる /白石瑞紀
すこしほわっとした感じで歩いていたのかな。「どなたかの鞄か」の言い方もほわっとしている。その「どなたかの鞄」は腕に当たれば痛いもので、「うつし世」なんだと、はっとする。「いまだ」とあるので作者にとってここはそのうち通過する場所なのだろう。

梅の花をところどころで目に留めて駅へと向かう簡素なる朝 /徳重龍弥
作者の気持ちに余計なものがないから、街もそういうふうに見えるのだと思う。ところどころで咲く梅が、ひかえめながらぱっと目に入ります。

と と と No.9 「雨にうたえば」

07 /03 2018

どなたが描かれたんでしょうね

ととと№9。
塔の女性三人が時々出されてるネットプリントです。
プリントできる最終日の晩御飯の時に思い出し、食事のあと近所のセブンイレブンに行きました。前号は出しそびれてしまっていたので、今回獲得感あり。

「雨にうたえば」っていいなー。唄えばからもってきたのでしょうけど、歌えば、でも、詠えば、でも、どちらでもいい感じ。どの連作のなかにも「雨」が降っています。

プリントは2枚で1枚目は十首づつの連作。それぞれの連作の題名がとてもいいです。2枚目には、物語、散歩道紹介、好きな歌紹介、とそれぞれが好きなことを書かかれています。


ネットプリント、不思議な仕組み。


「こゑのゆくへ」
短夜のねむりのなかにさすたけの君が聞かせてくれるおはなし
やがてこゑは雨音となりほほゑみはみづうみとなり覚めてかなしむ /白石瑞紀


どーんと古典の世界へ引っ張っていくような連作。枕詞や使われている語が遠いところを思わせます。一首目は冒頭に置かれた歌。幻想的な雰囲気のまま二首目以降に続き、夢と現実の間にいるような感じです。詠われているのは別れ。とてもよかった。作者の作品には枕詞がほんとによく登場します。昔から親しんでいたのだろうなあ、と読むたびに思います。豊か。


「石の兎」
あきらかに濡れた路面を走る音聞いているなりくちなしの部屋に
石の兎のお腹の中にある卵それに触ればいいらしい 触る /藤田千鶴


連作に兎の石像が出てくる。二首目はそのお腹に触っている場面。一字あけの「触る」に作者の迷いない気持ちが詠まれています。連作には、くちなし、蕾のあおし、赤蜻蛉、などがあり色が美しいです。


「火を抱く」
かなしみを洗いながして戻りくるあなたの髪に触れたがる指
いくつかの雨声(うせい)しずかに聞きわけているうち部屋にあつまる雨声 
/永田愛


かなしみって洗いながせるのだろうか。洗いながそうとするには決心がいるだろう。そして、そうして戻ってきた人を慈しむかのような気持ちが「触れたがる指」としてそこにあるのだと思います。


たまにぽん!と発行される「ととと」。見逃さないように気をつけていきます!

ukaji akiko

塔短歌会。ふだんは赤煉瓦歌会に参加しています。スガシカオ好き。気軽に好きなことを書いてゆこうと思います。

プロフィール欄がなぜか二つになっていて直りません。

Happy go Lucky!