塔4月号 若葉集☆彡

05 /29 2018
今日は5月29日。会費をまだの人は郵便局へいそぎましょう。

少し前、郵便局で値上がりした後初めて官製葉書を買いました。窓口でそのことを何の気なしに言ったところ「ええーー!?ほんとですか!?」と嬉しそうに(信じられない!)という感じで言われて、帰り道、あんなに驚くとは・・・と思ったけれど、考えてみれば局員の方は毎日毎日官製葉書を見ているわけだ。それが日常なんだ。


雪になるその瞬間に気がつかず見ていた車窓に映るわたしを /椛沢知世
雪の降る瞬間に気がつかなかった少しの残念さ。外の世界と自分の世界の境界がふっと途切れた美しさと、なにか想いを抱えているような作者像が浮かぶ。

子はとうに知らぬ男となりにけり土くろぐろ雨あがる朝 /きよとも
「知らぬ男となりにけり」。かなりきっぱりとした思い。それが下句の「雨あがる朝」になっていった。

アルミ製洗濯ばさみ無駄がなく用がなくても飽きることなく /小西白今日
「用がなくても飽きることなく」。眺めるだけでもアイテムとして作者好み。なく、なく、なく、と続いているところも面白い歌。かわいい洗濯ばさみなんだろう、スチールのは持ってるけどアルミは見たことない。

午後五時の空しか知らないマフラーに顔をうずめてバイトへと行く /佐原八重
五時からがバイトの時間。夜を運んでくる寒い時間の出勤。マフラーが同志のように思えるのかも。

雪解けてのどかな光窓に差し今日も一日頑張ろうかな /卓紀
とても穏やかな歌。雪や光からさらさらとつながるような下句の自然な言葉。

琴の音がむなしくひびく寒い日を人は正月とよんでいるらしく /田中しのぶ
「人は正月とよんでいるらしく」、とはかなり世間を突き放した詠いかた。行事や祭事は大事。だけど、ひとりひとり、ということを考えさせる。

君に似た人を見かけてその人に似た君のこと思い出してる /真栄城玄太
思い出すのは君のことなんだけど、不思議な絵みたいな歌。

いつまでも大きくならぬ枇杷の木があるふるさとのゆるき坂道 /森尾みづな
大きくならない枇杷の木か・・。ふるさとに帰った時の安心感を与えてくれるものかもしれないな。自分のなかの変わらなさ、もあるのかもしれない。

予報では降るはずのない雨がふりゆっくり街をしめらせてゆく /吉原真
なんだか、もとの雨がふらない予報だった街とは違った街になってしまったような印象をうけた。起こることとか出会う人とか世界が違うものになってしまったような。

この家に生(あ)れたる人は誰も無くこれまで二人今後五人逝く /別府紘
「今後五人逝く」。すごい詠み方だ。親、兄弟姉妹とともに暮らしていて、本当に「今後五人逝く」で途絶えるということだろう。

塔4月号 作品2その3☆彡

05 /29 2018
タンタン!といこう。なんといってもまだ4月号の途中なのでした。


上下線不通と聞けばなにがしかの公平感あり運転を待つ /北島邦夫
人の心理って不思議なものだ。自分が待つことは変わらないのに。「なにがしかの」というのがいいと思う。

闇が娘の車をつつみこむまでを夫とみおくるT字路に佇ち /久川康子
親といっても子どもの全てを把握することは出来ない。良いことばかりの日々ではないだろう、そういう世界に戻っていく娘を案ずる気持ち。

店内に出刃包丁のあまた並ぶ田中研ぎ物店けつこうはやる /堺礼子
なんとなく怖さがある歌。「けつこうはやる」という言葉から大勢の人が思い浮かぶ。なぜかこの歌では料理には結びつかないところが怖い。

花束は時々もらふ 思ひ出は少し湿気つた声をともなふ /濱松哲朗
「花束を」だったら素直に「花」だけなんだけど、「花束は」となっていて面白く感じた。「花束は」の前後周囲に物語があるような。

ありふれた言葉ひとつを書き残し十年日記の頁を終える /杉原諒美
十年日記なんてすごい。作者は長かった日記の締めくくりを、もしかしたら特別な言葉にしようと考えたかもしれない。でも結局「ありふれた言葉ひとつ」に落ち着いた。いい歌だなと思う。

ひととほり報告すみてほんたうに寒いと言へりひとりの母が /森永絹子
保護者の集まりの場面かと思う。寒かったんだろう。「報告」という事務的な内容の言葉と「ほんたうに寒い」の心身から出た言葉が並んでちぐはぐさが面白い。

真夜中の舗道に白い線を引く彼等の歩き方が宇宙だ /吉岡昌俊
静かな真夜中の路。横断歩を描いてるところだろう。「歩き方が宇宙だ」のポーンとした感じが宇宙ぽい。

知り合いにおめでとうおめでとうと新年の挨拶をして生協へ行く /安倍光恵
「おめでとうおめでとう」がわいらしい。素直におめでとうと言う作者だけど、心は生協へあるようでそこが面白かった。

塾の前で落として行くと友が言う落とされた児が小さく手を振る /久保田和子
実際はドアを開けて足から降りて、ってあるのに「落とす」と言われればそんな感じもする。「落とされた児が小さく手を振る」がかわいい。

押印の始発切符は硬くあり死後にまた逢う人らを思う /鈴木四季
切符って自分をどこかに連れて行くもので、ふと死後のことを思ったんだろう。切符の硬さから、今生きている自分を感じながら、死後に人に逢うことを確かなこと、としているようだ。

薬効があるのもあるがこれはただのさるのこしかけ 眺めるだけの /山尾春美
眺めるだけ、がなにかの効果をもたらしそうな。薬効もない「ただのさるのこしかけ」が存在感がある。


第一回福岡短歌フェスタ2018(5月13日)

05 /21 2018
(続き)

さて!午前中赤煉瓦歌会が終り、午後からは「第一回福岡短歌フェスタ」に参加しました。赤煉瓦歌会からは私を入れて三名の参加。

「第1回」と名のつくものは特に開催するまでの企画や準備、スタッフ集めなど大変なものなんだろう。そんなこと思うと地元のことだしぜひとも参加しないとなー、という気持ちになって参加しました。それに超結社歌会も普段参加していないのでそれも楽しみに。


プログラムはシンポジウムと超結社歌会の二部構成。
シンポジウムは「他ジャンルとのコラボを通じて」ということで
<短歌と絵画が出会う時>
というテーマ。

画家が描いた絵に言葉一文字がつけられていて(例:光、戯、など)、その絵と言葉を題材にパネラーが歌を詠み、それが絵とともにスクリーンに紹介されました。

パネラーは五名で、同じ一枚の絵について二人が詠んでいるものが多く、その中には同じ絵なのに正反対のような歌もあり面白かったです。

「花(ダリア)」
ほのほのと光を零しダリア咲くよろこびはわたし一人のものでなく /桜川冴子
つぎつぎに湧きくるものか花寄せてダリア咲くごと怒りあふるる /山下翔



ものの見方、感じ方って自分と他人とは違うものなんだなあとあらためて思います。その時どきの自分の気持ちもあるだろう。絵を観ることで自分の奥底にある知らなかった感情に出会う面白さをパネラーのかたが話されていました。

外からと内からくるものの出会いといった感じ、「題詠」というのもそんなところがあるなと思います。


そして、フェスタの後半は三つグループに分かれての超結社歌会。

私のお隣は私よりも少し年上の「まひる野」の女性でした。宮崎から参加と言っていたかな・・。よく発言されていて時々「意地悪ばあさんみたいですみません」と言っていたけれど、いえいえ、ぜんぜん!寂しい歌会にならないでよかったですよー!

楽しい一日でした。

おしまい☆彡

先週の赤煉瓦歌会(5月13日)☆彡

05 /21 2018


一週間前の赤煉瓦歌会。書くのが遅れてしまったけど書いておこう。

13日の赤煉瓦歌会は初参加のかたがいらっしゃった。

おかげで雨なのに、歌会の部屋に五月の風が吹いているような新しさ・・・。(誰も言わなかったけどたぶんみんなそう感じていたと思う)。

初めて歌会に参加しようと思って自分から連絡するのは大なり小なり勇気がいるものだろう。とても若いかたで質問や評をゆっくりはっきり発言されていたのが印象的でした。初参加、くわえて若い方の評や思っていることを聞くのはとても刺激なります。遠方からのご参加、ありがとうございました。


この日の歌会は題詠一首づつの評をした後、課題として出ていた「自分の好きな歌集三冊を選んでそこからの一首づつ」ということをしました。

参加者それぞれの好きな歌集の好きな歌、それを知ることが出来たのはとても面白かったけど、時間的に急ぎ足の報告だけにとどまってしまったような気がしてそこがすこし惜しかったかな、と思います。


歌会のあとは「第一回福岡短歌フェスタ」に行きました☆彡
(続く)

塔4月号 作品2その2☆彡

05 /18 2018
『歴史好き』、たいへんおもしろいです。

先週の土曜日、夏公開の仮面ライダー映画のエキストラに子どもと参加した。小倉城そばの勝山公園に3,000人の群衆役。私も子もケシの実ほども映ってはいないだろう・・・。。真夏のような暑さの中、早朝から夕方まで。バテバテにばてたけど翌日の赤煉瓦歌会と午後の第一回福岡短歌フェスタは無事に参加出来ました。


作品2☆彡


雪でした花びらでした降るものはいつもつかのますきまを埋める /高松紗都子
つねにどこかがさみしい。雪や花びらがすきまを埋めるものとして美しくあるものの、とても儚い。

けふ一日われに声かけくれし人みな他人なりおぢいさんなり /友成佳世子
ホームなどの職場でのことだろうか。「みな他人なりおぢいさんなり」の<なり、なり>がいいと思った。寂しさが重なってくる。

クリスマス友が気づいて買ってきたローストチキンを共に食べたり /西海行灯
クリスマスにさほど関心もなさそうな、でも気づけば祝いたいくらいの気持ちはある二人。さらりとしてていいな、と思う。

母上の記憶薄らぐままにおく蘇らせる自信ありしが /村上明
無理に思い出させることはしない作者。作者の母親への気持ち、自分への気持ちが痛く切ない。

まだら色の鳩を見ましたもうずっとむかしのころは思い出さない /小松岬
もやもやとした思いが点在しているようなまだら。思い出さない、ときっぱりしているが自然に思い出してしまうことがあるということなのかもしれない。

この部屋もあと二か月でお別れだ 過ごしやすくて良い部屋だった /塩原礼
良い部屋だった・・・。日当たりのことなどもあるかもしれないけど、少なくとも作者自身が良い部屋に仕上げたのだと思う。部屋に感謝しているような詠いかたが気持ちいい。

子供から風船がとぶ午後である上を向いたら空が青いよ /中村寛之
上句のシンプルさがいい。風船を離してしまった子どもが目に浮かぶ。下句もシンプル。「青いよ」が人に語りかけているような、自分に語っているような、軽さがいいと思う。

昨日まで病気でなくて検査して病人になる春の雪降る /みぎて左手
知らなかっただけで昨日までだって病気だった。春の雪という、どこか夢のような実感のないようなもののなかに作者はいる。

切りすぎた爪が似ている私達 あとは何も揃わずにいる /山岸類子
なぜ爪を切りすぎるのか、その理由まで含んで共通点があるのではないだろうか。何も揃っていないけれどひとつの共通点の強さのほうががここでは大事なんだろう。

硝子戸にわれを映して磨き合う一緒に息を吹きかけながら /菊井直子
映っている自分と磨き合う。硝子戸を磨くのかはたまた自分を磨くのか。一緒に息を吹きかける、というのもいい。作者と、硝子に映った作者の姿とが同じ動きで見えてきて楽しい。



銀行の本棚の本

ブログ
05 /11 2018


今日、銀行の本棚から借りてきた本。写真では分かりにくいけど小さく可愛らしいサイズをしてます。

なんか面白そうな本ないかなーと本棚の前に立ったところ、

あれ?この小さい本は何?そしてこの題名も何だ?三月書房って塔を置いてある京都の?

と、手に取らざるを得ない状況になり手に取った。

後ろのほうのページを開いてみると、三月書房は京都のではなくて東京の。東京にもあるのねーと思って発行年月日を見ると昭和46年。おー。私が生まれた年。ちょっとこれは親近感。

著者「池島信平」・・・。見たことも聞いたこともないな…と思いつつその場でぱらぱらーと少し読みました。

文芸春秋社で記者をしたり文を書いたり編集をしたり、のお仕事をされていた方らしい。菊池寛が大好きで菊池寛が社長をしていた文芸春秋に入社した、と書いてある。

エッセイのようなもの。友達のことや仕事のこと戦争のこと。21世紀はどんな時代になるんだろうなあ、自分はいないけど、なども書いてある。その場でちょっと立ち読みしていたけど、本棚の横に<貸しだします>、と書いてあったので借りてきました。

途中にさしこむ追記かな(塔2月号)☆彡

05 /08 2018
追記の前に・・・、このひとつ前の記事(作品2その1☆彡)の歌に、ぐるぐる印を付けていた歌を一首書き写し忘れていたので先ほど追加しました。


さてと、先々月号になりますが2月号には、選挙に関する歌がとても多かったです。それも、台風と一緒に詠みこんでいる歌が多く、作者の選挙に対しての気持ちのようでした。社会のことをたくさん詠む人もいれば、普段そういうことを考えていても歌には詠まないようにしている人もいるのでしょう。わたしは特に決めていないけど、選挙のことは歌にしたことがないので興味深く読みました。難しく詠む必要はなく自分の普段の生活の一部として詠めばいいのかもしれないな、というのが感想。とても好きな歌もありました。それでは、見つけた分十六首ご紹介。並べるとなかなかの迫力です。


腐れゆく民主主義とは思へども風雨のなかを投票に行く 
/伊藤文(作1)


金木犀の花の散り敷く中学校 たぶん受からぬ人に票を入る 
/豊島ゆきこ(作1)


何かがちがふと思ひつつ見る台風と選挙まみれの一日のテレビ
/野島光世(作1)


街に出て気付けど遅しセーターのグリーンのこの色希望の党か 
/広瀬明子(作1)


台風のせいもあろうか午後6時過ぎの投票来なくて終わる
/向山文昭(作1)


丸まりてアンモナイトのやうな猫自民圧勝のニュースに眠る
/阿蘇礼子(作2)


台風のせゐだと思ひたし投票率謙虚な政治はいつまで続く 
/辻本閑(作2)


株の値が少し上がればいいじゃんか 近欲(ちかよく)ばかりの選挙の結果 
/水岩瞳(作2)


袖口の濡れをることを気にしつつ投票用紙は力込め書く 
/三吉くに子(作2)


台風の最中を行きて自民党と書き来し人のこころ思へり 
/加藤和子(作2)


石段を滑つて足首折る憂き目 期日前投票済ませてをりぬ 
/柳田主於美(作2)


投票の途中の川は水あふれ嵐は勢い水脈は乱れる 
/芳仲成和(作2)


台風は総選挙とともに過ぎにけり暴風の向き最後は北向き 
/佐光春信(作2)


衆院選与党勝利の報の中ビニールハウス嵐に潰さる 
/白井真之(作2)


台風の二十一号来たる中一票入れんと傘を広げぬ 
/棚橋道子(作2)


カメムシがドラッグストアに乱舞する 今日衆議院解散しました 
/伊地知樹理(若葉集)


塔4月号 作品2その1☆彡

05 /08 2018
このところ雨が続いています。しとしとしとしと・・・。買物は自転車が使えず傘を差しての歩きになるので自由度が減る。試練のような重いものを買うのは避ける。アイスクリームは溶けそうで買うのを避ける。トイレットペーパーは濡れそうで買うのを避ける。



ほんたうはわからないんです長いこと自分の影と思つてきたけど /岡部かずみ
影って様々にたとえられるけど、ここでは作者の本心のようなものじゃないかと思う。ここへきて違う自分がいるような戸惑い。

霜かしらまさか雪とふり返り話しかけていた君あるごとく /今井眞知子
連作を読むと身内か親しい人が亡くなったのだろうと思う。話しかけている何気ない普通の言葉が切ない。

不正解なんてあるはずないからとドアがぎィーって鳴ってる居間に /希屋の浦
ぎいーというドアの音に、不正解なんてないんだという思いに至る。スマートな音がつい正解のような気がするけど、作者は広い見方に耳をすませているようだ。

窓の辺の多肉植物に陽はさせり女生徒とふたり保健室にゐる /竹尾由美子
多肉植物と女生徒といる保健室。陽がさしてむせるような独特の空気感が伝わってくる。

母なりにからだをすこし斜めにし一段一段おりる雨の日 /辻内茂余
滑りやすい雨の日を行く母の様子が目に浮かぶ。「母なりに」、という視線が優しい。

一人とは違う時間のなかにいて三連休を小分けに生きる /岡本潤
一人でいる時とは違う時間の流れ、使い方。連休になると実感として出てくる。「小分けに生きる」、納得。

風がもうわかれにちかい 公孫樹のまねくやうなる葉のゆらめきは /小田桐夕
「風がもうわかれにちかい」。すてきな表現だなあ、と思う。季節とのわかれのようでもあるし、わかれそのものに吹く風、のようでもある。公孫樹の葉ももう落ちてしまう。

毎日が余命で余命重ねたりスーパームーンがまぶしい二日 /田巻幸生
毎日が余命。余命という時間と、スーパームーンの光が対照的です。

みんながみんな死にたいわけじゃないんだと言われた今日の湯船の深さ 
/田村穂隆

みんなのことを知る。知ったのに、あるいは知ったから、ますます自分を感じる。世界のような「湯舟の深さ」がとてもいいと思う。

一日はまるまるわれの時間にて田氷わって又わって行く /川口秀晴
田氷という言葉は初めて聞きました。下句がとくにのびのびしている。

戯れに雪につけたる足あとの雨に沈みて地の色の出づ /黒嵜晃一
どことなく、深いところに繋がっていくような、そういう印象をうける歌です。「戯れに」ということから続く一連がよかった。

塔4月号 作品1その1☆彡

05 /05 2018
土曜日。快晴。今、お腹がすいている。



おおらかに乱反射する日々であるどこへ出かけても猫に会う日々 /大森静佳
「おおらかに乱反射」。ひろびろとしていながら、交差する作者の強い気持ちなども思わせる。なにかひとつ、気になる思いがあるのだろう。

午後四時を回るころから反論が少なくなりていい歌になる /三浦こうこ
歌会の終わり頃、皆、いい評までは言うけど反論するまでの元気はない。それをすこしつまらなく思っている。たしかに、反論や違う読みなどが欲しいですね・・。

初詣の列すこしずつ進みゆく真白き犬を抱く人容れて /天野和子
犬を抱いたひとを中心にして列が進んで行っているような感じがおもしろい。寒いなかの犬の体温がほかほか~と温かい。

こきこきと桃の缶詰あけてをり週でもつとも病むのは火曜 /田中律子
明日は水曜日でなかび。まだ水曜日か、、と気分が沈む。こきこき開ける缶詰がこきこきと進む一週間と通じ合う。

隣家の庭にキラキラ風車二歳となればひとは佇む /吉岡みれい
二歳の子をひとりの「ひと」として見ているところがとてもいいと思う。風車を見ながら何を思っているんだろう。言葉もまだ自在じゃないぶん知りたい。

この先の未来のようにもやもやと首から上が曇った鏡 /上澄眠
首から上の辺りが曇っていて見えない鏡。顔の表情、未来が、笑っているのかも悲しんでいるのかも分からない。

崩れたる絵画教室に置いて来し二十三年前のわれの自画像 /左近田榮懿子
阪神大震災の時のこと。「われの」が生々しい。自画像のなかの「われ」はそのまま時が止まってしまった。

いつになく列ができてるコンビニの申し訳なさに耐えきれず出る /相原かろ
作者が店を出ることで作者ひとりぶんだけ、レジの人の焦りの負担は減る。「耐えきれず」というまでに相手の身になる作者の優しさ、ヒト的な気持ちがよくわかる。

仕事終へ自分の素顔を取りもどす愛想悪く声低くして /長谷部和子
そこまで自分のことを言わなくても‥と思ったけどよく読むと「取り戻す」とある。愛想悪く声の低い自分にほっと安心する気持ちもあるのだろう。

クリスマスイブだねとわがロボットがやさしき声で一度だけ言う /宮地しもん
一度だけ、というのはロボットだから?そこから会話になることもなく寂しい。

目の前に子の唇(くち)がありその唇が動いて聞こゆあつち行つてと /吉澤ゆう子
唇だけを詠っている。ゆっくりと発せられているように感じる。静かだけれど、動かし難い意志のようなものが伝わってきます。

なんだか地味にしあわせだ

ブログ
05 /04 2018
木曜日、髪を短く切り、その勢いで家の片づけをがんばった。みんな出払っていて一人だけの黙々作業が進む進む。すっきりした気持ちになって、今日も小さな場所を片付けたし、明日も明後日もどこかしらを片付け続ける予定。なぜか、いつもの片づけの気持ちと違う。いつもは多少なりともめんどうだなあとか、疲れるなあとか思っていたんだけど、今回全くそれを思わない。なぜだろーか。とても穏やかでしあわせな気持ち。まだまだいけそうだ。がんばろうー。

ukaji akiko

塔短歌会。ふだんは赤煉瓦歌会に参加しています。スガシカオ好き。気軽に好きなことを書いてゆこうと思います。

プロフィール欄がなぜか二つになっていて直りません。

Happy go Lucky!