塔5月号 作品1の追記

05 /24 2017
塔を読んでいると、似ている歌が登場することもあります。
同じ号に登場する不思議、歌どうしに縁などがあるのかもしれません。そう思うと楽しい。
今月5月号の作品1には次のような歌がありました。

洗濯機まはせば国民年金と聞こゆ故障のきざしなるべし /中山博史
ジングルベルの鈴なるごとき音の聞こえ三日後換気扇は壊れぬ /千名民時


どちらの歌も家電の不具合のその音を題材にしています。

中山さんの歌は、読みかたによっては自分の耳の不調を詠んでいるともとれるところが面白いです。
千名さんの歌は、ジングルベルという幸せの象徴のような鈴の音が、換気扇の壊れをもたらしてしまうところが歌になっています。

次のような歌もありました。

歌を詠むときも話をするときも言ひ過ぎるなかれ 藪椿落つ /大木恵理子
いらん事は言はんでおかうといふことの身にしみて人はいつしか老いる/西之原一貴


大木さんの歌は、歌を詠むという自分自身に向かう対話と、話をするという他者との対話の、二つについて歌われています。
西之原さんの歌は、いらんことを言ってしまうのが若さ、自分の体験からいろいろと身にしみて身にしみて、といったところから、言わないでおこう、となる、そういう学びを老いと捉えているのかな、と思いました。

四首ともいいなと思ってしるしをつけていた歌です。
以上作品1の追記でした。

塔5月号 月集、作品1

05 /24 2017
子の入学まではまだ一年もある朝の机上の黄砂を指に確かむ /花山周子
海を挟んだ大陸から運ばれてくる黄砂。遠いような近いような場所が入学までの一年という時間と重なります。学校という社会に入れば嬉しいことばかりではないことが、砂という小さな痛さかと思います。

親戚の今のやうすを片端から母と語りぬテレビは点けたまま /小林信也

冬の陽を受けし団地を遠くよりふたりで見ており夢かもしれず /沢田麻佐子

厄払いの予約が入りどんどこと和尚は太鼓の練習をする /片山楓子

上弦の月を離れゆく金星の光の増して会えぬひとたち /佐藤浩子

暮れかたの堤に凧揚げする親子あやつり人形のシルエットなす /山地あい子

断わりしセールスマンが行く姿隣り部落の雪道に見る /向山文昭

詩にあらば言ひかへることもあるだらうだが戦闘は戦闘だよな /白石瑞紀

寒空は一色の青 喪にこもる友の住む街を快速に過ぐ /立川目陽子

怒鳴ったあと(そこには何もないのだが)ずっとスマホを見ている時間 /上澄眠

理不尽をあらゆる言葉に言いかえて日替わり定食Aをたいらぐ /永田聖子

「建築という対話」光嶋裕介トークイベント

ブログ
05 /23 2017
建築という対話

先週の金曜日に、「空間との対話について~建築家として働くこと~」というトークイベントに行ってきました。

ほんとに面白かった。お話が。本はまだ読んでいる途中なのでトークのことを忘れないうちに。

場所は天神の真ん中の小さなブックカフェ。
スクリーンがかかる会場に、30人くらいの人が丸椅子に座り、私の両隣も前も後ろも、建築学科と思われる学生さんでした。男性のほうが少し多かったです。後方を見やれば、僕たちはすでに建築家としてやっています(ピリッ!)、という風なかたも何人か聴いていらっしゃいました。

光嶋さんがこの本(主に中高生向け)を書いたきっかけは

「建築家の仕事を知ってほしい。衣食住のうち、住に対してはなんとなく世間との境界線がありそうなので、そこをなくしたい」というシンプルな思いがあったからだそうです。

そのあとに続くトークは、

オリジナリティとは何か、時間軸のこと、年を経ていくものへのリスペクトのこと、空間や風景と身体の対話、雑多なものの大事さ、他者への想像力、続けるということについて、などなど。
これらがすべて、光嶋さんの体験談とともに語られるので聴き入ってしまい、あっという間に時間が過ぎていきました。

トーク中に、光嶋さんが「前の席から回します。」と言って、学生時代に外国の建築を見て周った時に描いた、A4サイズの、とにかく小さなスケッチブックが回ってきたのですが、
「えー。そんな大事なものを!」とまず驚いて、そして、隣から回ってきたスケッチブックを開いてまた驚きました。
・・・建築家ってこんなに絵が描けないとなれないの・・?・・・。
とても素敵な絵でした。
スケッチとは別に、三次元を二次元にした、ドローイングのスライド、これも不思議な世界。

帰りには建物の外観や、入ったお店の内装を今まで知らなかった視点から眺めることができて、楽しい気持ちになりました。

6月7日に池袋ジュンク堂でもトークイベントがあるようです。お時間ある人はぜひどうぞ。ドリンク付きで1,000円です。

赤煉瓦歌会 赤煉瓦文化館

05 /21 2017
今日は赤煉瓦歌会でした。このようななんとも素敵なところで歌会をしています。外観と中を簡単にご紹介。
設計者は東京駅などを設計した辰野金吾工学博士、片岡安工学士。昭和44年に明治洋風建築の代表作として国の重要文化財に指定されました。(手元にしおりあり)

場所は天神。すぐそこは中洲。やや海寄りにあります。

歌会が終わり、扉を開けて石段を降りるとき、信号待ちの車のドライバーが「おや?ここで何してんのかな?」みたいな顔でハンドル握っています。これはほんと。
赤煉瓦文化館

朝の光がまぶしいな~。洗濯をあと一回してきたかったなー。どんな評がでるかな~、と思いながら上る階段。歌会の部屋は二階です。
赤煉瓦窓

今日の題は「鏡」。 下の写真は<見えずの鏡>。165センチの私では全く映らない高い位置にあるので、そう名付けてみました。竹馬に乗ってやっと顔がみえるくらいです。誰が見るのでしょうか。  なにか意味はあるのでしょうね。
赤煉瓦鏡

壁がアーチになっています。この部屋のこっち、写真を撮った場所でふだん歌会をしています。
こうしてみるとあらためて素敵な部屋で、選者派遣の時に赤煉瓦のメンバーがコートや荷物をぽんぽんこの椅子やテーブルに置くのはいかんっちゃない?と思ってきました。
赤煉瓦アーチ壁
という感じの、とても素敵なところです。機会があればぜひお越しください。

がんばれミエーズ 三重歌会             投手と打者の二人きり

05 /18 2017
昔、「がんばれベアーズ」というアメリカのちびっこ少年野球チームのテレビドラマがあっていました。面白くて人気があったように思います。

塔五月号の歌会記の三重歌会記を読みました。参加者は二人。三重歌会はいつも参加者が少なく、二人とか三人です。
秋頃に三重にちょっと行くかもしれないので、そのこともあり、ダウ平均を見るかのように三重歌会を見守っていました。(月に一度の歌会記上で)

この数か月、歌会記に載っていなかったので、もしかして..なくなっ...と他の歌会ながら気になっていたのですが、今月の歌会記を見てほーっとひと安心。
安心どころか二人で何時間も「評」し合うそのことに脱帽です。

今月の三重歌会記には、「幾人かの評者によって自信作を滅多打ちにされることもないが、その代わり作者と読者一対一のせめぎ合いとなる」、と書かれています。

人数が多い歌会は、いろんな評を聞けるという利点。

でも、もしかしたら、評をしにくい歌の時は、真剣に考えながらも上手く評が出来るほかのかたの発言を待つ、頼る、ということを自分はしていないだろうかと考えました。

それは...していない、と思いますが・・・。どうかなあ・・。

なんとか評を言おうと考えているうちに、ほかのかたが発言されたり、のパターンが多いのかもしれません。
でもそれも結局はほかのかたを頼っているのと同じことかもしれないなー、と思いました。

二人の歌会の場合は、歌会記にあるとおり、一対一のせめぎあい。

あと一人いれば...。二人から三人になれば、評はまた全然違ってくると思います。

歌会記の雰囲気はいたって楽しそう。今回は四首づつの提出だったとあります。自信作やちょっとした冒険作などいろいろな歌を提出できそうです。

<がんばれミエーズ>
三重県 14市15町
・エヴァンゲリオンと日本刀展 5月13日~7月20日、伊勢安土桃山文化村
・伊勢神宮、熊野古道、御在所ロープウェイ、丸山田千枚田、
 伊賀流忍者博物館、四日市工場夜景クルーズ(一泊二日セットプランあり)、鳥羽水族館
・松坂牛、赤福、真珠、伊勢型紙、 
・江戸川乱歩、はやみねかおる、松尾芭蕉、佐々木信綱、大辻隆弘、西野カナ、 椎名桔平、瀬古利彦、野口みずき
 



ukaji

塔短歌会。ふだんは赤煉瓦歌会に参加しています。気軽に好きなことを書いてゆこうと思います。

プロフィール欄がなぜか二つになっていて直りません。

Happy go Lucky!